ランサーエボリューションとは
ランサーエボリューションは、ラリーに勝つためだけに10回作り直されたクルマです。
始まりは1987年のE38A/E39A、ギャランVR-4でした。2.0Lターボの4G63型とフルタイム4WDという組み合わせで、三菱はWRCに本格参戦します。ただ、ギャランは車体が大きすぎました。同じ中身をもっと小さな箱に移せば速くなる。その発想から生まれたのが、1992年のCD9A、初代ランサーエボリューションです。
競技に出るには市販台数の条件を満たす必要があります。だから作った。理屈としてはそれだけの、極端に用途の限られたクルマでした。それが即完売します。
以降、三菱はほぼ毎年のように手を入れました。1994年のCE9AでII、翌年にはIIIへと進み、空力の造形が本格化します。1996年のCN9A、エボIVで登場したのがAYC、つまり左右後輪の駆動力を積極的に振り分けて曲がる機構でした。四駆は曲がりにくいという常識に、三菱は電子制御で殴りかかったわけです。
1998年のCP9A、エボVでは車体の幅を広げて3ナンバーになり、ブレーキも大径化されます。翌年のVIはラリーでの耐久性に振った熟成版で、2000年のトミ・マキネンエディションがグループA時代の終わりを飾りました。
2001年のCT9Aはランサーセディアを土台にした新世代です。エボVIIでACD(アクティブセンターデフ)が加わり、VIIIではAYCが強化され、2005年のIXでは4G63にMIVECが組み込まれます。エボIXは、13年使い続けた4G63型の最終形でした。
2007年のCZ4A、エボXでエンジンがアルミブロックの4B11型へ切り替わります。ツインクラッチのSSTが選べるようになり、駆動系はS-AWCとして統合されました。速さも快適さも、それまでで最高です。
ただ、三菱はすでにWRCから撤退していました。勝つために作る理由が消えたクルマは、2015年のファイナルエディションをもって生産を終えます。
E38AからCZ4Aまで、10世代。ランエボの型式の並びは、日本のメーカーが世界のラリーで勝つために何を積み増していったかの記録そのものです。











