パジェロとは
パジェロは、四輪駆動車を「我慢して乗るもの」から降ろしたクルマです。
1982年のL040が出るまで、四駆は乗り心地が硬く、静粛性も期待できない道具でした。三菱自身、ジープのライセンス生産を長く続けてきた会社です。そこへフロント独立懸架を与え、屋根と全長を選べる商品構成にした。悪路性能を落とさずに、普段も乗れる乗用車として成立させたわけです。パリ・ダカール・ラリーでの実績が、その説得力を裏づけました。
1991年のV20/V40で、パジェロは社会現象になります。RVブームの中心として、一時は国内販売台数でカローラを上回りました。四駆が「流行の乗り物」になった、日本で最初で最後に近い時期です。
1999年のV60/V70は、その熱狂が引いたあとの世代でした。国内での存在感は薄れましたが、競技と実用の現場では相変わらず強い。街で主役でなくなっても、砂漠では王者のままだったわけです。
2006年のV80/V90は、そのまま13年間作り続けられました。モデルチェンジをしなかったのではなく、できなかったという側面もあります。日本市場でSUVの主役がクロスオーバーへ移り、本格四駆の商売が細っていったからです。2019年、国内販売は終了しました。
そして2026年、新型パジェロが戻ってきます。ラダーフレームを採用し、悪路走破性を正面から名乗る構成です。市場が一周した結果、この形式の価値がもう一度認められたということでしょう。
L040から新型まで。パジェロの歴史は、四駆が道具から流行になり、また道具へ戻っていく40年の記録です。





