1998年に登場した2代目、NB。リトラクタブルヘッドライトは安全基準の関係で姿を消しましたが、車重も大きさもNAからほとんど変えず、中身だけを磨いた世代です。
そして25年が過ぎたいま、この車を選ぶというのは旧車を選ぶということです。見るべき点は、年式相応にはっきりしています。
構成を確認しておきます。1998年登場、エンジンは1.6LのB6-ZE型と1.8LのBP-ZE型。変速機は5速MT(後に6速MTも)と4速AT、駆動は後輪。車重は1トン前後で、初代NAからほとんど増えていません。リトラクタブルヘッドライトは、この代で姿を消しました。
幌と雨漏り

ロードスター - NB6C/NB8C 【無邪気さを研ぎ澄ませた、NAの成熟形】
NBロードスターは、単なるキープコンセプトではないです。 初代NAが復活させたライトウェイトスポーツの価値を、時代に合わせてもう一度設計し直したモデルです。 1997年10月の東京モーターショーで公開され、1998年に登 […
ソフトトップの車で、25年ぶんの紫外線と開閉に耐えた幌がどうなっているか。ここが最初の関門です。
生地の硬化、縫い目のほつれ、リアウィンドウ(ビニール製の個体は特に)の白濁と割れ。そして雨漏りです。室内のカーペット、シート下、トランク内の湿りと錆を必ず確認してください。
幌は交換できます。ただし費用はまとまるので、劣化した個体を買うなら価格交渉の材料にしてください。幌の状態は、その個体がどう保管されてきたかを映す指標でもあります。
幌の交換履歴があるなら、それは大きな加点です。交換から日が浅い個体なら、しばらくは安心して乗れます。逆に「純正のまま」を売り文句にしている25年落ちの個体は、劣化しているという意味でもあります。
錆——フロアとサイドシル

ロードスター - NA6C/NA8C 【失われたライトウェイトの復権】
NAロードスターは70年代に一度ほぼ絶滅しかけたライトウェイトスポーツカーという文化を、80年代末に現代の技術で蘇らせたクルマでした。 マツダ自身も、60〜70年代の小型オープンスポーツが持っていた軽快なハンドリングと気 […
25年落ちの日本車として、錆は避けて通れません。ロードスターで特に見るべきは、フロア、サイドシル、リアフェンダーの内側、そして幌の収納部周辺です。
オープンカーは構造上、水が入る経路が多い。排水経路が詰まると、内部から錆が進みます。表面がきれいでも、内側で進行していることがあります。
下から覗いて、叩いて、必要なら磁石を当てる。 ここに時間をかけてください。エンジンや幌は直せますが、車体の錆は費用対効果が合いません。
確認の際は、幌を開けた状態で幌の収納部を覗いてください。ここに落ち葉や泥が溜まっていると、排水経路が詰まって内部に水が回ります。この場所を掃除してきたかどうかで、その個体の維持のされ方が分かります。
経年で来るもの

年式なりに、順番が回ってきます。エアコンのコンプレッサー、オルタネーター、ラジエター、そしてゴム類全般です。
BPエンジン自体は頑丈で、オイル管理さえまともなら距離が伸びても大きく崩れません。問題は本体ではなく周辺という点は、この年代の車すべてに共通します。
加えて、足まわりのブッシュとダンパーは25年ぶんへたっています。買った直後にここへ手を入れると、走りが別物になります。 NBは素性が良いので、リフレッシュの効果が分かりやすい車です。
費用の目安としては、ダンパーとブッシュをまとめて交換すると相応の金額になります。ただし、この車の場合はその出費に対する走りの変化が大きい。中古価格が抑えられているぶん、整備に予算を回す買い方が向いています。
NA・NCとどう違うか

ロードスター - NC1/NC2/NC3 【大事なものを守るために、あえて大きくなった三代目】
NCロードスターについては見た目からもわかる通り、NA→NBのような正常進化ではありません。 これはNAとNBで守ってきた「軽量FRオープンの楽しさ」を、2000年代の安全性や快適性や商品性に合わせてもう一度成立させ直し […
NAとの違いは、リトラクタブルの有無だけではありません。ボディ剛性が上がり、内装の質感も改善されています。「NAの雰囲気は好きだが、実用性で妥協したくない」という人にはNBが合います。
NCとの違いは、大きさと重さです。NCは衝突安全と快適性のために一回り大きくなりました。軽さと小ささを最優先するなら、NBのほうが原点に近い。
中古価格は、NAが上がり気味なのに対してNBは比較的落ち着いています。いちばん割安に軽量オープンを手に入れられる世代と言えます。
現車確認で見るべきポイント

ロードスター - ND5RC/NDERC 【もう一度、原点に戻ってきた四代目】
NDはNCで一度現代化したロードスターを、少しだけ原点側へ引き戻すためのモデルでした。 マツダ自身も四代目の開発テーマを「Innovate in order to preserve」と説明しており、環境性能や安全性能の要 […
- 錆:フロア、サイドシル、リアフェンダー内側、幌収納部周辺。最優先
- 幌:生地の硬化、縫い目、リアウィンドウの白濁、開閉のスムーズさ
- 雨漏り:カーペット、シート下、トランク内の湿りと錆
- 足まわり:段差での異音、ダンパーのオイル滲み、ブッシュの状態
- 経年部品:エアコン、充電系、冷却系
- エンジン:オイルフィラーキャップ裏の汚れ、始動性、アイドリング
- 記録簿:25年ぶんの整備履歴。無い個体は一式やり直す前提で
この車に手を出してよい人、やめた方がよい人

RX-8 – SE3P【最後のロータリーが選んだ、異端の正解】
マツダRX-8(SE3P)は、ロータリーエンジン搭載の最後の量産車。観音開きの4ドアにNAロータリーという異端な構成が、なぜ「正解」だったのかを開発背景から読み解きます。
向いている人は、軽量オープンをいちばん安く手に入れたい人です。NBは玉数がまだあり、部品も社外品を含めて豊富。自分で手を入れながら乗るには、これ以上の教材はありません。
やめた方がよい人は、そのまま乗り続けたい人です。25年落ちである以上、消耗品の交換は避けられません。屋外保管しかできない場合も、幌の劣化を織り込む必要があります。
維持費そのものは軽い部類です。1.6Lまたは1.8Lで自動車税の負担は小さく、タイヤも14〜15インチで安い。壊れた部分を直す費用さえ確保できれば、日常の維持費で困る車ではありません。
現代的な快適性と安全装備を求めるなら、素直にNDを検討してください。
結局、NBの中古は買いなのか

オートザム AZ-1 – PG6SA【軽に迷い込んだ一代限りのガルウイング】
マツダが1992年に送り出した軽ミッドシップスポーツ、AZ-1(PG6SA)。ガルウイングにFRP外装、ミッドシップレイアウト。なぜこんな車が軽自動車として成立したのか、その背景と意味を読み解きます。
錆が軽く、幌が生きていて、記録簿がある個体なら買いです。 この3条件が揃った個体は年々減っていますが、まだ探せます。
NBは、初代の思想を磨いた世代でした。NAほど値上がりせず、NCほど大きくない。 いま軽量オープンを最も現実的な価格で味わえるのが、この世代です。
この記事を共有

この記事を書いた人
hodzilla51
クルマの系譜を追っていたら、いつの間にかサイトになっていました




