ヴェルファイアとは
ヴェルファイアは、アルファードの影から抜け出すために作られたクルマです。
始まりは販売チャネルの都合でした。2008年の20系は、アルファードと骨格を共有しながら、別の販売店で売るために顔と内装の性格を変えた兄弟車として登場します。中身が同じなら、選ぶ理由は見た目と雰囲気しかない。だからヴェルファイアは、押し出しの強さと若さで差を付ける方向へ振れました。
2015年の30系では、その性格がさらに露骨になります。大きなメッキグリルと鋭い眼光は、上品さで勝負するアルファードに対する明確な対抗軸でした。同じ車体でここまで印象を変えられるのかという、意匠設計の実験でもあります。
2023年の40系で、関係が変わりました。販売チャネルの統合によって「別の店で売るための兄弟車」という前提が消えたのです。それでもヴェルファイアが残ったのは、走りと内外装をアルファードより攻めた方向で仕立てるという役割が見つかったからでしょう。専用のサスペンション設定や上級グレードの構成で、性格の差が中身にも及ぶようになりました。
20系から40系まで、3世代。ヴェルファイアの歴史は、「同じ車の顔違い」がどうやって独自の存在意義を獲得していくかの記録です。



