インプレッサとは
WRXは、ラリーで勝つために生まれ、ラリーをやめてからも走り続けたクルマです。
1992年のGC8が始まりでした。レガシィで戦っていたスバルが、より短く軽い車体を求めて用意したのがインプレッサです。水平対向4気筒ターボのEJ20型と四輪駆動という構成はそのまま持ち込み、車体だけを小さくした。狙いは明確で、WRCで勝つことでした。
結果はご存じのとおりです。1995年から3年連続でマニュファクチャラーズタイトルを獲り、青と金の塗り分けは日本車のラリー像そのものになりました。1998年には400台限定の22B STiという、ワイドボディの記念碑まで生まれています。
2000年のGDBは、その戦績を引き継いだ世代でした。丸目、涙目、鷹目と、一代のうちに顔を三度変えた珍しいクルマでもあります。市販車としての完成度はGC8より明らかに上で、STiが手を入れたモデルは日本のスポーツセダンの基準になりました。
2007年のGRBでハッチバックへ移行し、賛否が割れます。ラリーの現場でも、市販車の売り方でも、ここが転換点でした。そして2008年末、スバルはWRCからの撤退を発表します。勝つために作るという前提が、ここで消えました。
2014年のVABでは、車名から「インプレッサ」が外れて独立します。EJ20型を積む最後の世代となり、2019年のファイナルエディションで、四半世紀続いたこのエンジンの歴史が終わりました。
2021年のVBH、WRX S4はFA24型へ切り替わり、STIの名を持つモデルは用意されていません。ラリーという目的も、STIという記号も失ったうえで、それでも四駆ターボのセダンを出し続ける。いまのWRXが背負っているのは、そういう問いです。
GC8からVBHまで、5世代。WRXの歴史は、モータースポーツで得た評判を、その舞台を降りたあとにどう使うかという課題の記録です。





