GR ヤリスとは
GRヤリスは、ラリーに出るために作られた市販車です。順番が普通と逆で、売れる車を競技用に仕立てたのではなく、競技のための車を市販しました。
前日譚が2018年のNCP131、ヴィッツGRMNです。スーパーチャージャーを積んだ1.8Lで、生産はわずか150台。トヨタが本気で走りに振ったコンパクトを作れることを、社内外に示すための一台でした。
そして2020年のGXPA16、GRヤリス。3ドアの専用ボディ、前後で異なるプラットフォームの組み合わせ、1.6Lの3気筒ターボG16E-GTS型、そしてGR-FOURと名付けられた四輪駆動。ベース車のヤリスと共通する部分はごくわずかで、実質的には別の車です。生産も専用の工場で行われました。
これが成立した理由は明快で、WRCに出るための車両規則がそれを求めたからです。ただし、規則が求めていたのは台数だけであって、ここまでの中身は必須ではありませんでした。作りすぎたと言っていいでしょう。だからこそ、モータースポーツから離れた層にも売れています。
GRヤリスの歴史は、大手メーカーが「勝つため」という理由を手にしたときに何が起きるかの記録です。


