カローラとは
カローラは世界一売れた大衆車ですが、その裏でトヨタは、この名前を使って何度も過激なクルマを出してきました。
最初の一台が1972年のTE27、レビン/トレノです。カローラのボディにDOHCの2T-G型を積み、オーバーフェンダーを付ける。大衆車の外皮を借りたスポーツモデルという商売が、ここで成立しました。1979年のTE71は、その系統の最後のFR直4となります。
1983年のAE86は、いまさら説明の必要がないでしょう。4A-GEU型の高回転DOHCと軽い車体、そして後輪駆動。当時としては特別なクルマではなく、あくまで「安いスポーツグレード」だったことが、後に伝説になった理由でもあります。
1984年のAE82、カローラFXでカローラは前輪駆動の走り系を試し、1987年のAE92でレビン/トレノ自体がFF化されました。ここで系譜は分岐します。1991年のAE101、1995年のAE111は技術的にはむしろ進化していましたが、AE86が背負ってしまった物語には勝てませんでした。
面白いのは、その後もトヨタが諦めなかったことです。2001年のZZT231、ランクス/アレックスは2ZZ-GE型を積み、8500rpmまで回るエンジンをカローラの顔で売りました。2006年のE150、オーリスは名前ごと替えて欧州向けの走りを狙い、2007年のGRE156H、ブレイドマスターにいたってはCセグメントの車体に3.5LのV6を押し込んでいます。
2018年のNRE210H、カローラスポーツで「普通のカローラ」の水準そのものを引き上げ、2022年のGZEA14H、GRカローラで再び本気の競技用ベース車が戻ってきました。300PSの3気筒ターボと四輪駆動。TE27がやったことを、50年後に同じ名前でやり直したわけです。
カローラの走り系の歴史は、「いちばん普通のクルマ」だからこそ許された、トヨタの実験の記録です。












