インテグラタイプRとは
インテグラタイプRは、FFスポーツの頂点を定義したクルマです。
1995年のDC2は、いま振り返っても異常な仕立てでした。1.8LのB18C型は、吸排気ポートを手作業で磨き上げ、8000rpmを超えて回る。車体側では鋼板の追加による補強、遮音材の削減、専用のヘリカルLSD。量産車の枠内で、これだけの手数を掛けた例はそう多くありません。
その結果として得られたのは、絶対的な速さというより、前輪駆動でどこまで気持ちよく曲がれるかという到達点でした。以後、FFスポーツはこの車を基準に語られるようになります。
2001年のDC5は、その続編として難しい立場に置かれました。K20A型は220PSに達し、車体も大きく、装備も現代的になっています。数値だけなら明らかに進歩しているのに、DC2の粗削りな手応えを求める人からは物足りないと言われました。洗練は、この種のクルマでは必ずしも褒め言葉になりません。
DC2からDC5まで、2世代。インテグラタイプRの歴史は、「速さ」と「気持ちよさ」が同じものではないと教えてくれる記録です。


