カプチーノとは
カプチーノは、軽自動車の枠で本物のFRスポーツを成立させた一台です。
1991年に登場したEA11Rは、660ccの3気筒ターボを前に置き、後輪を駆動します。出力は自主規制の64PSですが、車重は約700kg。数字の小ささよりも、この重さでFRを成立させたことに意味があります。
屋根は3分割の脱着式で、フルオープン、タルガトップ、Tバールーフと組み替えられました。外した屋根はトランクに収まります。遊びのための機構に見えて、剛性と実用性の両立を真面目に詰めた設計です。
エンジンを前車軸の後ろへ寄せた配置により、前後重量配分は理想に近い値に収まりました。軽自動車の制約は寸法と排気量であって、レイアウトの自由まで奪われるわけではない。その理屈を素直に形にしています。
1995年からのEA21Rでは、エンジンがオールアルミのK6A型へ替わり、さらに軽量化されました。
同じ時期にはホンダのビート、マツダのAZ-1もありました。三台まとめてABCと呼ばれますが、FRを選んだのはカプチーノだけです。軽自動車という制約の中で、駆動方式まで趣味に振れた最後の時代の記録と言えます。

