BMW X5(G65)が6月末公開 — 1枚のネームプレートに5駆動を同居させる“元祖SAV”の選択
- hodzilla51
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参考画像: BMW X5(現行 G05 型) / CC BY 3.0 / via Wikimedia Commons
BMWが、5代目となる次期X5(コードネームG65)を6月下旬に世界初公開します。BMWBLOGによれば、これは単なるモデルチェンジの発表ではなく、相応のイベントを伴う規模になるといいます。生産は2026年の晩夏から初秋に立ち上がる予定です。
日本語の量産ニュースは、この一台を「新型X5、ついにフルEVのiX5を追加」というEV化の見出しで処理しがちです。ですが、G65の本質はそこにはありません。注目すべきは、1つのネームプレートに5種類の駆動方式を同居させるという、BMWの明確な戦略的選択です。
SAVというジャンルを生んだ“元祖”の5代目
X5は1999年、米サウスカロライナ州スパルタンバーグで生まれました。SUVとは一線を画す「SAV(Sports Activity Vehicle)」というジャンルそのものを切り拓いた一台であり、その後の高級SUV市場のフォーマットを規定したパイオニアです。
BMWBLOGによれば、X5は4世代を通じて累計310万台超を販売した、BMWのグローバル最量販ネームプレートです。米国では昨年だけで7万6,000台あまりを売り、前年比5.4%増という成長を見せています(topelectricsuv)。今回のG65は、スパルタンバーグでの誕生から27年を経て、「ローンチ以来もっとも大規模な刷新」と位置づけられています。つまりこれは、ジャンルの元祖が迎える節目の世代交代なのです。
5つの駆動を1台に — Zipseが語る“technology-openness”
G65のラインアップは、ガソリン(X5 40、40d xDrive)、ディーゼル、複数のプラグインハイブリッド(X5 50e xDrive、M60e xDrive)、フル電動のiX5 60 xDrive、そして2028年からの水素仕様まで、5つの駆動ファミリーで構成されます。BMWBLOGはこれを「これまでのどのBMWよりも多い、1つのシャシーに広がる5つのパワートレインファミリー」と表現します。電動のiX5は、Neue Klasse由来のプラットフォームに載る初の電動X5となります。
この方針は、CEOオリバー・ツィプセが2026年3月12日の年次会見で明言したものです。曰く――「次期X5は、高効率な従来型ドライブ、プラグインハイブリッド、バッテリーEV、そして2028年からは水素も含め、5つの異なる駆動方式で提供される初のBMWモデルになる」。
これは、特定のドライブトレインに賭けるのではなく、市場と地域ごとの需要に応じて選択肢を残す「technology-openness(技術中立)」の思想です。EV専用プラットフォームへ一本化していく業界の潮流に対する、BMWの明確なカウンターと言っていいでしょう。
“同居”を可能にするマルチエナジー・プラットフォーム
5駆動の同居を支えるのは、改良を加えた既存のCLAR(Cluster Architecture)プラットフォームです。topelectricsuvによれば、このマルチエナジー構造はX5・X6・X7のような比較的低ボリュームなモデルに適しており、新工場を必要とせず、合理的な投資で柔軟に生産できるといいます。
燃焼・ディーゼル・PHEV・電動・水素のすべてが、同じボディとサスペンションのハードポイントを共有します。一方で、最軽量と最重量の仕様の間には約600kgの重量差が生じます。この設計上の妥協がどこまで成立するかが、G65の技術的な見どころとなります。BMWBLOGはスパルタンバーグ近郊のパフォーマンスセンターでカモフラージュ仕様のプロトタイプ(X5 40 xDrive、50e xDrive、iX5 60 xDrive)を試乗し、重量差は予想ほど体感されず、PHEVのガソリン⇔電気の切り替わりはダッシュボード表示でしか分からないほど自然だったと報告しています。
水素X5という2028年の布石
5駆動のうち最も象徴的なのが、2028年投入予定の水素仕様です。EV化一辺倒ではなく、燃料電池を含めた複数の脱炭素経路に賭けるBMWの姿勢が、ここに凝縮されています。X5という最量販ネームプレートを実験場とすることは、それだけ戦略上の本気度が高いことを意味します。
寸法面でもG65は転換点を迎えます。topelectricsuvによれば、次期X5は中国専用のロングホイールベース版を除き、グローバルで初めて全長5メートルを超えます。拡大したスペースは、初のフル電動iX5のための大容量バッテリーを収めるためだといいます。
「フルEVを追加した新型X5」――その見出しは間違ってはいません。ですが、SAVというジャンルを生んだ元祖が、業界が一本化へ向かう局面であえて5つの駆動を1台に束ねた、という構図こそがG65の核心です。カモフラージュが剥がれる6月下旬、BMWが示すのはスペック表ではなく、一つの戦略思想です。

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hodzilla51
クルマの系譜を追っていたら、いつの間にかサイトになっていました