28,701台目でひとつの時代が閉じる
アルピーヌが、現行A110の生産を終えました。9年にわたって作り続けられたルノー製エンジンを積むスポーツクーペは、通算28,701台目となる最終個体をもってラインオフ。この最後の1台は、記念すべき「70周年」を祝う特別仕様でまとめられています。生産の舞台は、フランス北部・ノルマンディーのディエップ工場でした。
速報としては「A110が生産終了」の一行で済んでしまう話です。ただ、ここで立ち止まりたいのは、これが単なる一モデルの区切りではなく、内燃機関を積んだA110(ベルリネット)という系譜の、ひとつの終わりだという点です。派生モデルやEVラリー車の話題は各所で報じられますが、「ICE版A110の終焉」という角度は意外と落とされています。
1963年からディエップが作り続けてきたもの
ディエップ工場が生んだA110は、今回の現行型だけではありません。ソースによれば、同工場はこれまでに累計35,000台超のA110を送り出してきました。その原点が、1963年から1977年まで作られた初代A110、すなわちアルピーヌにとって初の量産車です。
軽量なリアエンジンのベルリネットでラリーの舞台を席巻した初代。その名跡が長い空白を経て2017年に現行型として復活し、9年間を戦い抜いて、今こうして幕を下ろす——。この「初代 → 復活 → ICEの終わり」という縦串こそが、今回のニュースの本当の輪郭です。工場の場所が一度も変わっていないという事実が、系譜の連続性を静かに物語っています。
A110の名は消えない——次は電動で
とはいえ、ディエップでのA110生産が途切れるわけではありません。プラットフォームを一新した第3世代が、来年からこのラインで生産に入る予定です。ベースとなるのは新開発の「アルピーヌ・パフォーマンス・プラットフォーム(APP)」。
ここが面白いところで、新型A110は電動パワートレインでデビューする一方、将来的に内燃機関を搭載できるように設計されているとされています。つまりアルピーヌは、ICEの扉を完全には閉じていません。今回の生産終了を「エンジン車の終わり」と断じきれない含みが、ここに残されています。
ラインナップも広がります。最初は伝統に沿った2シーターのクーペですが、その後に4シーターとコンバーチブルが続く計画。スポーツカー市場での存在感を広げにいく構えです。
まずはグッドウッドで動く姿を
新型A110は、来週開催されるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、プロトタイプとしてダイナミックデビューを飾る見込みです。おそらくは現行型のボディシェルをまとった姿になるとのこと。より詳しい情報や構成部品は、10月のパリモーターショーで明かされる予定です。
要するに、旧型ベルリネットが去る、その1週間後に次代がベールを脱ぐ——という段取り。ディエップという同じ土地で、内燃機関の系譜が一度締めくくられ、電動の系譜へと引き継がれていく。A110という名前の重みを知る者ほど、この節目は見逃せないはずです。
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hodzilla51
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