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Hondaプレリュード

プレリュード(BB6/BB8)の中古車ガイド【弱点を知れば怖くない!ハイソを感じよう】

  • hodzilla51
  • 12分で読了

5代目プレリュード。

1996年に登場し、2001年に生産を終えた「最後の旧プレリュード」です。

ワイド&ローのスタイリングに、前後ダブルウイッシュボーンのサスペンション、そしてH22A型VTEC。スペシャリティクーペとしての品格と、ホンダらしい走りの密度が同居した車です。

ただ、すでに製造から25年以上。中古で手に入れるなら、「どこが怖くて、どこは安心できるのか」を知っておくことが、この車を長く楽しむための大前提になります。

まず警戒すべきは「見た目の劣化」

5代目プレリュードで最初に目につきやすいのは、塗装のクリア層の剥がれです。

ボンネットやルーフを中心に、クリアが浮いて白っぽくなっている個体は少なくありません。

特に濃色系のボディカラーでは顕著で、屋外保管の個体では高確率で発生しています。

走りには影響しませんが、見た目の印象を一気に落とします。全塗装となると数十万円コースですし、部分補修でも数万円は覚悟が必要です。

「きれいな個体を選ぶ」のが最善策で、買ってから塗り直すのはコスト的にかなり厳しい選択になります。

ヘッドライトの黄ばみ・くすみも同様です。

5代目の縦型ヘッドライトはデザイン上の個性ですが、樹脂レンズの劣化で曇りが進行しやすく、磨いても再発しやすい傾向があります。夜間の視認性にも関わるので、状態は必ず確認してください。

機構面の弱点を整理する

この車で最も注意が必要な機構系トラブルは、ラジエターのアッパータンク割れです。

樹脂製のタンク部分が経年で劣化し、ひび割れから冷却水が漏れるケースが多く報告されています。走行距離が少なくても年数で劣化が進む部位なので、低走行車だからといって安心はできません。

冷却水漏れはオーバーヒートに直結するため、放置すればエンジンに深刻なダメージを与えます。ラジエター本体の交換は部品さえ手に入れば作業自体は大がかりではありませんが、「気づかず乗り続けていた個体」を掴むと、エンジン側にまでダメージが及んでいる可能性があります。

次に、エンジンまわりのオイル漏れ

ヘッドカバーガスケットやシリンダーヘッドのシール部からのにじみ・漏れは、この年代のH22Aではかなり高い頻度で見られます。

ディーラー点検で指摘されるケースも多く、にじみ程度であれば即座に走行不能にはなりませんが、放置すると周辺部品への油汚れやゴム類の劣化を早めます。

ガスケット交換自体は定番の整備ですが、複数箇所から同時に漏れている個体は、これまでのメンテナンス状況に疑問が残ります。

購入前にエンジンルームの油汚れの程度をしっかり見てください。

BB6のタイプSに標準装備されるATTS(アクティブ・トルク・トランスファー・システム)は、左右の駆動輪に駆動力を配分する機構です。

コーナリング性能を高める先進的な仕組みですが、専用のユニットであるため、故障時の修理は簡単ではありません。

ATTSのオイル漏れや制御不良が出ると、部品の入手性が問題になります。

中古部品を探すか、専門ショップに頼ることになるため、修理費も読みにくい。タイプSを選ぶなら、ATTS周辺の状態確認は必須です。

BB8に搭載される4WS(4輪操舵システム)も同様の注意が要ります。

後輪を電子制御で操舵するこの機構はプレリュードの代名詞ともいえる装備ですが、制御ユニットやセンサーの不具合が出ると警告灯の点灯だけでなく、ハンドリングに違和感が出ることがあります。

4WSの制御モジュールはトランク側に設置されており、専用ECUとの連携で動作しています。

万が一壊れた場合、純正部品の新品供給は期待しにくく、対応できるショップも限られます。

4WS付きのBB8を選ぶなら、この機構の整備履歴があるかどうかが大きな判断材料になります。

小さいが印象を悪くしやすい不具合

パワーウインドウの動作不良は、この世代のホンダ車全般に見られる傾向ですが、プレリュードでも例外ではありません。レギュレーター(ガラスを上下させる機構)のモーターやワイヤーが劣化し、窓の動きが遅くなったり、途中で止まったりします。

運転席側が特に使用頻度が高いため先に症状が出やすく、完全に動かなくなると窓が閉まらないまま走ることになります。走行性能には関係ありませんが、雨の日に窓が閉まらないのは相当なストレスです。

内装では、ダッシュボードやセンターコンソール周辺の樹脂パーツのベタつきが出ている個体があります。90年代後半のホンダ車に使われていたソフトコーティング素材が経年で加水分解を起こし、触るとネチャッとした感触になるものです。

見た目にも不潔な印象を与えますし、一度始まると進行を止めにくい。アルコールで拭き取る応急処置はできますが、根本的にはパーツ交換か表面の再処理が必要です。内装の状態は写真だけでは分かりにくいので、現車で必ず手で触って確認してください。

サンルーフ付き車両では、排水経路の詰まりによる雨漏りも見逃せません。プレリュードはオプションでガラスサンルーフが設定されており、装着車は一定数流通しています。

サンルーフ自体の開閉機構よりも、周囲の排水ドレンにゴミが詰まって室内に水が回るケースが厄介です。

天井の内張りにシミがある個体は要注意。ルーフからの雨漏りは修理箇所の特定に手間がかかりやすく、放置すると電装系への影響も出ます。サンルーフなし車両を選ぶのも、リスク回避としては合理的な判断です。

足回りでは、フロントロアアームのブーツ亀裂リアタイロッドエンドのブーツ劣化が高頻度で指摘されます。ゴム部品の経年劣化としては一般的ですが、プレリュードは前後ダブルウイッシュボーンでアーム類が多いぶん、交換すべきブッシュやブーツの点数も多くなります。

足回りのリフレッシュを一括でやると、部品代と工賃の合計はそれなりの金額になります。逆に言えば、購入前に足回りのゴム類が交換済みの個体は、それだけで安心材料になります。整備記録があれば必ず確認してください。

AT車に搭載されるSマチック(ゲート式のセレクター)では、S4ランプの点滅症状が報告されることがあります。

走行中にSモードの4速が入らなくなり、エンジンを再始動すると復帰するというもので、ATのセンサー系統の不具合が疑われます。頻発するようであれば、AT内部の点検が必要です。

逆にここは強い

H22A型エンジンの基本的な耐久性は高いです。2.2リッターDOHC VTECというスペックから「回して使うエンジン=壊れやすい」と思われがちですが、オイル管理さえしっかりしていれば、10万km超でも本体が致命的に壊れるケースは多くありません。

VTECの切り替え機構も、この世代では十分に成熟しています。高回転域でのカムの切り替わりがスムーズで、機構的なトラブルの報告は比較的少ない。エンジン本体の信頼性は、この車を中古で買ううえでの大きな安心材料です。

前後ダブルウイッシュボーンのサスペンション構造も、設計としては非常にしっかりしています。ゴム部品の劣化は避けられませんが、アーム類やナックルといった金属部品の強度は十分で、構造的な弱さはありません。

ブッシュやダンパーを新品に入れ替えれば、足回りの動きは新車時に近い感触を取り戻せます。リフレッシュのしがいがある足回りだと言えます。

ボディ剛性も、この車の隠れた美点です。サブフレーム一体型のモノコック構造が採用されており、フロントピラーも二重構造になっています。同年代のホンダ車の中でも、ボディのしっかり感は際立っています。

経年でヤレが出にくいわけではありませんが、設計段階での剛性の高さが効いているため、きちんとメンテナンスされた個体であれば、25年経っても走りの芯が残っている車に出会えます。

5速MTの信頼性も高い部類です。シフトフィールは軽快で、ホンダらしいカチッとした操作感があります。クラッチまわりの消耗はもちろんありますが、ミッション本体が壊れるという話はあまり聞きません。MT車を探しているなら、駆動系の信頼性は安心材料のひとつです。

現車確認で見るべきポイント

まず外装。ボンネット、ルーフ、トランクリッドのクリア剥がれを確認してください。特にルーフは見落としやすいので、離れた位置から光の反射で確認するのが有効です。

エンジンルームを開けたら、ヘッドカバー周辺の油にじみをチェック。乾いた汚れなら過去のにじみの痕跡、湿った汚れなら現在進行形の漏れです。ラジエターのアッパータンク(上部の樹脂部分)にひび割れや白い粉状の析出がないかも見てください。

室内では、ダッシュボードやスイッチ類を実際に触ること。ベタつきがあるかどうかは手で触らないと分かりません。パワーウインドウは全席、上げ下げの速度と途中の引っかかりを確認します。

サンルーフ付きなら、天井の内張りにシミや変色がないか。開閉動作だけでなく、閉じた状態でのシール部分の劣化も見てください。

タイプSならATTSのオイル漏れ、BB8なら4WSの警告灯が点灯していないか。試乗時には、低速での取り回しと中速域でのコーナリングで、ハンドリングに違和感がないかを体感してください。

足回りは、段差を越えたときの異音やガタに注目します。コトコト、カタカタという音はブッシュやボールジョイントの劣化を示唆しています。整備記録簿があれば、足回りのゴム部品やラジエターの交換履歴があるかどうかを確認してください。

結局、この車は買いなのか

結論から言えば、今回の話を頭に入れて個体を選べるなら、買いです。

5代目プレリュードは、ホンダがスペシャリティクーペに本気で取り組んだ最後の世代です。H22A VTECの気持ちよさ、前後ダブルウイッシュボーンが生む懐の深い足、そしてワイド&ローのスタイリング。この3つが揃った車は、今の市場ではなかなか見つかりません。

ただし、塗装の劣化、ラジエターの樹脂割れ、ATTS・4WSの専用機構トラブルなど、「放置されていた個体」を掴むと修理費がかさむリスクはあります。特にATTSや4WSは、壊れてから直すのではなく、壊れていない個体を選ぶのが最善策です。

この車に手を出してよいのは、購入前の現車確認にしっかり時間をかけられる人。そして、ゴム部品の交換や塗装の手入れといった「旧車を維持する基本コスト」を受け入れられる人です。ホンダ車に強い整備工場や専門ショップとのつながりがあれば、なお心強い。

逆に、買ってすぐノーメンテで乗りたい人、見た目のきれいさを最優先にする人には向きません。クリア剥がれのない美品は流通台数が限られていますし、見つかっても価格は上がっています。

5代目プレリュードは、90年代の日本車が持っていた「走りへの真面目さ」が凝縮された車です。新型プレリュードの復活で注目度も上がっていますが、BB6/BB8の持つアナログな走りの質感は、新型とはまったく別の魅力です。

弱点を知り、状態のよい個体を選び、手をかけて乗る。そういう付き合い方ができるなら、この車はまだまだ十分に応えてくれます。

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