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シビックType R – FN2 【EUのType R】

車種の概要

「ユーロR」と呼ばれたFN2 2007年、英国スウィンドン工場で生まれたFN2は、EP3以来となる3ドアボディにスペースシップと揶揄された近未来デザインをまとう一方、エンジンは2.0 ℓ i-VTECのまま201 ps止 […]

  • hodzilla51
  • 4分で系譜を理解
シビックType R – FN2 【EUのType R】

「ユーロR」と呼ばれたFN2

2007年、英国スウィンドン工場で生まれたFN2は、EP3以来となる3ドアボディにスペースシップと揶揄された近未来デザインをまとう一方、エンジンは2.0 ℓ i-VTECのまま201 ps止まりだった。この数値は日本製FD2より25 psも低い。

この数字差が物議を醸しつつ、「家族も積めるホットハッチ」という新しいType R像を提案した。 

ハッチバック回帰とヨーロッパ戦略

欧州市場では排ガス規制EURO 4と衝突安全強化で車重増は不可避だった。

開発陣は「軽快さより日常との両立」を掲げ、燃料タンクを前席下に収める独自プラットフォームを選択。この決断で室内は広がったが、車高アップと1,320 kgという歴代シビックでも最重量を招いてしまう。

ホンダは「グローバルで売れる赤バッジ」に賭け、快適装備と走りのバランスに挑んだ。 

欧州のi-VTEC「K20Z4」

心臓部K20Z4は11.0:1の圧縮比、可変カム位相+ハイカム切替のi-VTECを継承し、201 ps/7,800 rpm・193 Nm/5,600 rpmを発生。

ロングストローク寄りの吸排気とバランサーシャフト追加で低中速トルクと静粛性を稼ぎ、「長距離ツアラーでも疲れないType R」を狙った。

リッター当たり100 psは死守したものの、FD2が誇った超高回転の炸裂感は薄まり、ファンを分断する要因となる。 

トーションビーム採用の衝撃

リアサスはコストと荷室容量を優先し、歴代伝統のダブルウィッシュボーンやデュアルアクシスストラットを捨て、トーションビームへ換装。

Top Gear誌は「遊び心を失った」と痛烈に批判したが、開発陣は高剛性アンダーフロアとワイドトレッドで曲がるFFを実現したと主張しました。

実際、フロントのキャスター角とトレールを増やし、フルブッシュ類を専用強化して応答性を確保していました。

MUGEN RR・Ti

2009年に英国MUGENが手掛けたCivic Type R MUGENはカム・吸排気・軽量化で240 psへ強化し、20台限定で即完売。

さらに最終年にはチタンマフラー+LSD標準の「Type R Ti」が500台設定され、“FN2は遅い”というレッテルを払拭すべくメーカー公認でチューニング競争が過熱した。 

モータースポーツ――BTCCから耐久まで

FN2は英国ツーリングカー選手権(BTCC)で半ワークス体制によりデビューし、2011年シーズンにメーカー部門3位。耐久ではバサースト6 hやセパン12 hのクラスウィンを重ね、「トーションビームでも勝てる」ことを見せつけました。 

「普段使いできるType R」という革新

FN2は軽量高回転主義から一歩譲り、日常の扱いやすさと居住性を大幅に向上させました。

トーションビームやパワー不足を嘆く声もあったが、VTECは7,800 rpmで唸り、宇宙船ダッシュボードの向こう側へ景色がワープする体験はやはり赤バッジのもの。

家族と荷物を積み、高速をひと走り。そんな優雅な「ユーロR的な生活」が好きな方は、ぜひ購入を検討してみてはいかがでしょうか。

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